Interview 03 50年先、100年先の未来の子どもたちに
自分たちが作った発電所を使い続けてもらえるように

林 のぶき / HAYASHI NOBUKI

2014年入社
所属:電源開発グループ・水力発電事業部 課長
前職:百貨店での販売職~翻訳会社での事務職~
電力関連会社の事務職およびコンサルタント業務

※掲載内容は取材当時のものです

所属:電源開発グループ・水力発電事業部 課長

Profile

林 のぶき

百貨店での販売や翻訳会社の事務などを経験。英語を使った仕事に就きたいと、さまざまな業界を渡る。直近25年は電力関連会社に勤め、海外での小規模水力発電に携わる。フィリピンにて水力発電所の建設から運営に関わった経験も。シン・エナジーには2014年に入社。前職での経験を活かし、小水力発電開発のうち環境社会配慮担当として、開発理解促進、住民説明会の開催ほか、開発による便益の地元還元策の検討などを行っている。

Chapter1―知る楽しさ、わかってもらえる喜び―

2014年にシン・エナジーに入社し、現在は国内はもちろん、海外での小水力発電開発に関わっており、いまは自社発電所の案件をメインとして取り組んでいます。

小水力発電開発事業には、地点発掘調査などを通じてさまざまなプランニングを行った後、実際の発電所建設に入り、稼働後は運転の維持管理を行っていくというプロセスがあります。私はいま、開発に関わる許認可申請書の進捗確認や、銀行融資に関わるやりとり、それに関する資料作成や、発電事業運営維持のための新会社設立に係わる手続きを行っています。 法律や金融に関しては、私自身はあまりなじみのない分野です。なので、各分野の専門家の方々と協力し、具体的なアドバイスをいただきながら、業務を進めています。発電所建設という大きな目標に向けて、必要な知識や知見を日々「知る」ことができる喜びはとても大きいですし、楽しいですね。とても充実しています。

また最近では、建設予定地に出向いて、役場の方や地元の方に小規模水力発電のことを説明することもあります。初めは不安そうな方も多いのですが、説明していくことで理解を示していただける瞬間は本当にうれしいものです。

Chapter2―地道な情報収集や説明会、大変さがやりがいにつながる―

前職でも同じように水力発電に関わっていましたが、地点発掘調査までがメインのコンサルタント業務のみを行っていました。しかし今は、地点発掘調査から、事業化、発電所の運転維持管理と、発電所が形になって稼働していく一連の流れに関わっています。広い知識が必要な大変さもありますが、その分やりがいもありますね。

地元の役場の方や近隣住民の方に、小水力発電の規模やイメージを理解してもらうためには、正直なところ時間も費用も必要になります。地元に説明に出向いて直接お話をしてみると、水力発電に対して「大きなダムを作る大規模水力発電のイメージ」を思い浮かべる方が多いんですよね。近隣の自然環境が変わってしまったり、自分たちの生活にも大きな影響が出たりすることを心配されて、不安に思っていらっしゃいます。なので、私たちが進めているプロジェクトが、「小規模水力発電であること」をしっかりお伝えし、「小規模水力発電とは何なのか」、「稼働することによる地元へのメリット」についても、なるべくわかりやすい言葉を選ぶように心がけながらお話します。

なかなか話が進まず、プロジェクトが足踏み状態になり、開発の目処が立たず、もどかしく感じることもあります。地元の方々と会社、まったく違う目線を持つ二者の間に挟まれ苦労したこともありました。しかしそうやって進める中で、わずかでも前進したり、理解を得られたりすると、うれしさはひとしおです。

  • 小水力発電設備設置イメージ
  • 松川水力発電所

Chapter3―地域の人に長く愛される発電所を―

前職で、フィリピンの電気が通っていないような地域で、水力発電所の建設に関わったことがありました。長く現地に滞在し、近隣住民への説明から始めたんです。フィリピン入りした当初は反感も強く、海外から来た私たちはまともに話も聞いてもらえない状態が続きました。しかし、地道に活動し、無事に発電所が稼働して電気が供給され始めた時、地元の皆さんから「ここに来てくれてありがとう、発電所を作ってくれてありがとう!」という言葉をかけてもらったんです。色々こみ上げてきて、本当にうれしかったです。今思い出しても、胸が熱くなります。

今の私の夢は、「50年先、100年先、未来の子どもたちに、使い続けてもらえるような発電所をつくること」です。
水力発電の発電所は、一度建設すれば何十年も機能していくものです。それと同時に、地元の方に長く管理していただくことも必要です。小さな規模で、長く使える、息の長いこのシステムを形にして、電力を地産地消し、得られた利益を地域の発展のために有意義に利用できるようなシステムづくりに、これからも積極的に取り組んでいきたいです。
そして、フィリピンの発電所のように、地元の人に愛される発電所を生み出していくことができればと思っていきます。

フィリピンの住民説明会の様子

Why ?―シン・エナジーを選んだ理由―

フィリピンでの水力発電所建設など、前職の経験を活かせる仕事をしたいと思っていた時にシン・エナジーと出会いました。もともと水力開発に関する部署はなかったのですが、新しくスタートさせるということでお話をいただいたんです。

その際「未来の子どもたちのためにより良い地球環境を残します」という経営理念にとても惹かれました。
また、国内外で水力発電を広く普及させることができるという、業務内容にも魅力を感じました。
そしていまの部署の中にある「おらが村の発電所をつくる」という風土も、私になじんでいます。地元の人に愛され、地元の人が管理を行うことで守られ、長く発展し続ける発電所を作ることを大切にして働いています。

One day schedule― ある1日のスケジュール ―

  • 午前

    メールチェック、許認可手続きの進捗確認、テレビ会議。

  • 午後

    打ち合わせに向けての資料作成、その後打ち合わせ。

  • 夕方

    会議などの議事録の作成。

Career path-キャリアパス-

  • 1987年

    百貨店に入社し、婦人服を販売。

  • 1991年

    翻訳会社に入社し、事務を担当する。

  • 1993年

    電力関連会社に入社。
    海外事業部水力部で、事務職やコンサルタント業務を担当。

  • 2014年

    シン・エナジー入社。
    水力発電事業部に所属。

  • ~現在

    フィリピンでの住民説明へ出向くなど、国内外の小水力発電事業を担当。

Future― これからの夢、目標 ―

地元をよく知り、地域の人とつながりを持てる活動を始めたいと思っています。いま注目しているのが、地元に住む外国人の方向けのボランティア。日本語や生活面でのサポートを行って、たくさんの人と交流できる場をつくるサークルに所属したいと思っているんです。仕事オンリーの会社人間で終わることなく、自分の住んでいる地域の人との輪を広げられるようになりたいですね。