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社長の活動
2019.12.11 大生黒潮発電所での設備発火について(続報)

2019 年10 月16 日、当社の関連会社であるくしま木質バイオマス株式会社が運営する
大生黒潮発電所(宮崎県串間市)で、設備の一部が発火しました。
12 月11日現在の調査の結果及び復旧の見通しについて、下記の通りお知らせいたしま
す。

1.発生日時・場所
2019 年10 月16 日 午前10 時30 分頃
宮崎県串間市大字西方字山田1805 番地15(大生黒潮発電所)
Stela(ステラ)社製温水式おが粉乾燥設備内より発火し、
排気ファン及び乾燥設備内部後方に延焼したのち、消火活動により午後2 時00 分ごろ鎮火。

2.発生原因及び今後の対策について
事故後、消防署による現場検証を行いましたが原因を特定するには至りませんでした。
その後、これまでのメーカー事例(※1)を踏まえ、自社チームで行った調査と燃焼試験に基づき、

出火原因は以下のいずれかと推定しております:
・高速回転の排気ファンから火花が発生し、ダクトに付着したおが粉から発火
・ゴムパッキンで絶縁されていた点検窓に静電気が溜まり、その放電により乾燥おが粉が発火。

今後このようなことが再発しないよう、以下の対策を実施します。
・原料入口に金属除去設備を追加し、金属片等の混入を防止する。
・乾燥設備点検窓に接地線を接続し、確実に接地を取ることで静電気の蓄積を防止する。
・乾燥機内部の点検頻度を、3か月に1回から毎月実施に変更し、乾燥おが粉の長期堆積を防止する。
(なお、メーカー推奨は6か月に1回)

※1…Stela(ステラ)社は全世界で既に600台以上の乾燥設備を導入していますが、
年に数件程度の火災が発生しています。

一方、現在日本で主流のキルン乾燥方式においても同様の火災事故が発生しうることから、
当社としては、エネルギーの有効利用の観点から引き続き温水乾燥方式を採用します。
今後もおが粉およびチップ製造のエンジニアリングを引き続き追求してまいります。

3.復旧の見通しについて
乾燥設備の損傷した部品の復旧・対策工事並びに試運転は、2020 年1 月中旬~下旬に
実施予定で、1 月末より運転再開の見込みです。

なお、当発電所は、2018 年3 月に竣工し、これまでに試運転及び様々な改良や研究を行って
まいりました。当社は「地域エネルギー創出」や「脱炭素推進のため熱電併給」を安定的に
行うシステムとして、欧州で最も実績が多く性状が比較的安定するペレットを選択しました。
しかし、様々な要因や根本的な問題により、安定稼働まで約1 年を要しました。
2019年度より、林野庁の補助事業のご支援を得て、安定した燃料生産技術の研究(※2)を
進めています。また、ペレット化の意義の検討やチップガス化の実証などを併せて進めてまいります。
これらについては、日本エネルギー学会バイオマス科学会議、森林学会などで発表等を行ってまいります。

※2…2019 年度「地域内エコシステム」技術開発・実証事業 http://ur0.work/QDfW

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