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2021.01.27 内子バイオマス発電合同会社ならびに有限会社内藤鋼業が、新エネ大賞「新エネルギー財団会長賞」受賞

当社が設計・施工を担当した「内子バイオマス発電所」を運営する内子バイオマス発電合同会社(愛媛県喜多郡内子町、所長:内藤昌典/以下、内子バイオマス発電)ならびに有限会社内藤鋼業(愛媛県喜多郡内子町、代表取締役社長:内藤昌典/以下、内藤鋼業)が、一般財団法人 新エネルギー財団が主催する「令和2年度 新エネ大賞」において、「新エネルギー財団会長賞【地域共生部門】」を受賞しました。

 

■新エネ大賞「新エネルギー財団会長賞【地域共生部門】」受賞

地域の林業の発展やバイオマスタウン構想の実現、地産地消の木質エネルギーの普及を目的とした「林野率77%の内子町における地域密着型バイオマス発電」プロジェクトが評価され、新エネ大賞「新エネルギー財団会長賞【地域共生部門】」を受賞しました。

新エネルギー財団「新エネルギー大賞」サイト

新エネ大賞について本表彰は、一般財団法人新エネルギー財団が実施(後援:経済産業省)しているもので、新エネルギーの一層の導入促進と普及および啓発を図るため、新エネルギーに係る商品および新エネルギーの導入、あるいは普及啓発活動を広く募集し、そのうち優れたものを表彰しています。(新エネルギー財団「新エネ大賞とは」より引用)

 

■受賞ポイントと概要

▼国内で実績の少ない木質ガス化発電の安定稼働
当プロジェクトの中核をなす内子バイオマス発電所は、未利用木材(間伐材等)から製造した木質ペレットを利用したガス化熱電併給装置6基(990kW)、発電過程で発生する熱でさらに発電を行うバイナリー発電装置1基(125kW)を擁する発電所で、四国電力送配電(株)に全量売電しています。
ボイラータービン型の木質バイオマス発電は国内にも多数存在しますが、ガス化での木質バイオマス発電は運用が難しいこともあり、国内での実績は極わずかしかありませんが、その中で平成30年から稼働開始して2年間安定的に稼働していることが評価されました。

▼地域共生への取り組み
内子町は、総面積299.5km2のうち山林が約77%と大部分を占めていることが特徴で、農林業、観光業が主要産業です。
このような地域でバイオマス発電所を産業の軸とした地域の関連企業への事業創出や、豊富な森林資源の利活用、採算性の低い山林保全事業の改善、地産地消エネルギー利用の促進などの課題を解決する一手として地域密着型バイオマス発電事業に着手しました。
その中でペレット原料供給先の一つである町営小型木材市場「木こり市場」では、指定開催日に地域の山主から木を買取り、現金と地域内の店舗等で使用できる地域通貨券(ドン券)で支払いをしており、地域経済の循環と活性化にも寄与している点が大きく評価されています。
また、発電所およびペレット製造工場から排出される燃焼灰や炭化物を林道整備補助材や助燃材、土壌改良補助材へと加工して地元林業事業者や農家へ提供し、地域の山から出たモノを地域に還元する持続可能な循環型社会を構築している点も地域共生事業として評価されました。
内子バイオマス発電ならびに内藤鋼業では、今後は本事業をモデルケースに各地域に地域密着型バイオマス発電を普及させていく方針です。

 

■内子バイオマス発電所の概要

(1) 事業運営 内子バイオマス発電合同会社
(2) 所在地 愛媛県喜多郡内子町寺村2478番地1
(3) 定格出力 1,115kW
(4) 年間発電量 約883万kWh
(5) 発電開始日 2018年11月(試運転期間含む)

内子バイオマス発電所

システム全体の定格出力は1,115 kWと小規模ですが、発電端効率は33%超、送電端効率は30%超で、これは3万kW級木質バイオマス発電設備の発電効率に匹敵します※。
発電効率の高い発電設備を用いるとともに、発電時に発生した熱をバイナリー発電設備で電力として回収することで高い発電効率を実現し、地元の貴重な資源を可能な限り有効に活用します。

※ 電中研報告書M13009『FIT導入に伴う国内バイオマス発電設備の開発動向と石炭火力混焼発電への影響調査』による

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